FTP ってなんだったか覚えてますか? この FTP 入門の 1 ページ目では、コンピュータから別のコンピュータに データを送るときの標準規格、と説明しました。
FTP という規格はいろいろ便利な機能があるのですが、それをいちいち自分が 手動でやるのは非常に面倒です。たとえば「このファイルを送りたい」というだけでも、 決められた手順でサーバときちんとやりとりしないといけません。 そもそも FTP という規格は人間が手動でやることはあまり考えていないのです。 じゃぁどうするかというと、そのへんの仕事を肩代わりしてくれる、 FTP ソフトというものを使うのです (注 7)。 FTP ソフトは FTP 規格の専門家です。サーバとの交渉は全部一手に引き受けてくれます。
というわけで FTP ソフトは、FTP 規格に従った処理というのを肩代わりして くれるわけですが、ソフトによって、どれくらい肩代わりしてくれるかが違います。 大きく分けると、「丸ごと肩代わり」型と、「ボス、指令を」型に分かれます。
「丸ごと肩代わり」型は、必要な設定を最初に済ませたら、「スイッチポン!」で あとは自動的にやってくれます。さらに、2回目からは前の設定を使えばいいので 本当に「スイッチポン!」だけですみます。短所は、まず、裏で何をやってるか わからないことがあります。「スイッチポン!」してしまったらあとは一気に 実行されてしまうので、「設定が間違ってたらどうしよう」と思うと、 いざスイッチを押すぞというところでつい不安になってしまう……のは 僕が気が弱いだけですかねぇ。もう 1 つ、FTP ではこちらから送るだけでなく 向こうにあるファイルを取り寄せることもできるのですが、「丸ごと肩代わり」型のソフトは 基本的に「送る」か「取り寄せる」のどちらかしかできません。それだけ欠点があるのに なんで「丸ごと肩代わり」型のソフトなんてあるのかというと、とにかく楽だからです。
この種類の FTP ソフトには、マイクロソフトの「Web 発行ウィザード」などがあります。
「丸ごと肩代わり」型のソフトの基本的な使い方は、さっきも説明したように、 最初に設定を全部やってしまって、あとは「いっけぇぇぇ!!!」と叫びながら実行させる、 という順番です。ホームページを公開する場合、自分のコンピュータのあるディレクトリを、 サーバのディレクトリにそっくりコピーするというテを使います。 だから、HTML 文書を作るときにも、サーバに入れるんだと思って作らないと、 リンクがつながらなかったりします。
僕が試してみた「丸ごと肩代わり」型の FTP ソフトでの設定の仕方を載せていますので、 参考にしてみてください。
さっきも説明したように「丸ごと肩代わり」型には、楽とひきかえに失ったものも いくつかあります。そういう意味では、「丸ごと肩代わり」してくれない、 「古い」タイプの FTP ソフトを使ってみるのもおすすめです。
このタイプの FTP ソフトでは、どのファイルを送るかとかディレクトリを移動するとか いったことを、ひとつひとつ指定します。ひとつひとつ指定するごとに 「終わりましたぜ。ボス、次の指令を」という状態になるので、順番に指令を出していきます。
このタイプでも、ソフトによっては「丸ごと肩代わり」型のようなこともできる、 器用なものがあります。画面にボタンやメニューの数が増えますが、 「丸ごと肩代わり」型である程度慣れたら「ボス、指令を」型のソフトを 試してみるといいと思います。「ボス、指令を」型を使うと FTP ソフトが何をやるのか イメージがつかめるので、後で「丸ごと肩代わり」型に戻っても、何が起きるのか ワケがわかるようになります。
こちらのタイプについても、僕が試したFTPソフトでの設定の仕方なんかを いくつか紹介しようと思います。参考にしてみてください……と思いつつ 長いこと準備中になってます。
注 7: 正確に言うと「FTP クライアント」です。 サーバ側で「FTP サーバのソフト」が実行されていて、両者がやりとりすることで データが送られるということになります。
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